教育場面での活用に向けた「看護系大学共用試験CBTシステム」ソフトウェアの汎用化改修

2017年第27回日本看護科学学会学術集会にて発表予定

【目的】2008年度から6年間,看護系大学共用試験の開発と導入に関する研究(代表者:柳井晴夫)が行われた。その研究においてCBT(Computer Based Testing)実施のためのオリジナルのソフトウェアが開発された。このシステムの有用性は確認されたが,共用試験専用設計で利用場面が限定されていた。また,改善や追加機能の要望も寄せられていた。本研究では,このシステムを改修し,公開することにより様々な教育場面で活用されることを目指している。

【方法】基本仕様の作成,次いでプログラム改修・作成作業,そして動作試験とステップを踏んだ。仕様には先行研究で整理された要望点,様々な利用場面を想定した必要機能を整理して反映した。プログラムは小規模な仮想サーバでも動作することを目指し,軽快に動くようコーディングすることに留意した。改修・追加された機能の一部は,先行研究から継続稼働中のCBTシステムに逐次反映し,動作試験を行った。

 なお,システム運用においてランダムなID番号のみで受験者を取扱い,個人情報を保有しない,サーバには常に最新のセキュリティパッチを適用するなど,倫理安全上の配慮を行っている。CBTシステムの利用実績の報告は受けているが,受験者数とトラブル発生状況という業務上の数値報告のみである。

【結果】(1)基本仕様:大きく解答者側と管理者側の機能に区分される。解答者側は,PCからスマートホンまでの各種環境から解答や結果閲覧等が可能である。管理者側では,ユーザ管理,問題管理,CBT・問題集の管理といった機能が目的別に整理されて利用できる。すべての利用はWebブラウザ上で行う。

(2)動作環境等:サーバ側は,Webサーバはapache,データベースはMyQSL(および互換DB),スクリプト言語はPHP5系列で動作する。クライアント側はJavaScriptが動作するブラウザであれば利用可能である。

(3)運用実績と公開に向けて:解答者側の機能は平成28年度,管理者側の機能は平成29年度から,www.kango-stat.jpで運用中のCBTシステムに組み込み,実用に供してきた。システム側が原因のトラブルは発生していないが,運用経験を更新に順次反映している

【考察】システム詳細は当日報告するが,CBTおよび通常の授業内での利用,学生の自己学習のツールとしての機能を備え,コンピュータの専門家でない管理者でも通常の運用が可能なシステムとなった。発表時には,ノートPC上で動作する仮想サーバ上でシステムを稼働させ,タブレットをクライアントとする実演を予定している。<BR>今後はマニュアル類の整備や実際の他大学の環境へのインストールのテストを経て,完全公開を予定している。公開後も継続的な改良や利用者へのサポートの維持が重要不可欠であり,その体制を整える必要がある。

本システムを活用いただいている先生方に感謝いたします。

 なお,本研究は平成27~29年度科学研究費補助金(15K11519)の支援を受けた。